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テレマティクス保険(テレマティックス保険)とは?

テレマティクス保険 テレマティックス保険

テレマティックス保険とは?

「AI」の凄さが頻繁に叫ばれるようになって、最近、耳にするようになった「テレマティックス保険」という言葉。今回は、この「テレマティックス保険」について、調べてみたことを解説します。

「テレマティックス保険」とは、IOT(インターネットオブシングス)やAI(人工知能)技術によって、自動車に搭載したセンサーから、個人の運転記録を採取し、そのデータを基に、個々に異なる「保険料」を設定するという、まったく新しい自動車保険のことです。

テレマティックス保険の「普及率」は世界で拡大している

テレマティックス保険と聞いても、まだ日本では、ほとんど馴染みがないような気がしますが、「ヨーロッパ」や「アメリカ」などの先進国では、この「テレマティックス保険」という保険の認知度が、近年かなり高まっていて、ヨーロッパ諸国(特にイタリアやイギリスなど)では、すでに10%もの普及率があるようです。

日本の損害保険会社でも、今年、2019年には、各社の「テレマティクス保険」商品が出そろうと予測されており、2020年には、全世界で、自動車保険契約件数の30%を、この「テレマティクス保険」が占めるという、予測もあるようです。

「テレマティックス保険」と、一般的な自動車保険の違いは何?

では、一般的な「自動車保険」と、この「テレマティックス保険」とは、いったいどのような違いがあるのでしょうか?

これまでの自動車保険は、「設定した補償金額」、「補償内容」、「ドライバーの年齢」、「ゴールド免許の有無」、「事故履歴」、「自動車の利用頻度」などの数値から、「あらかじめ」決定した保険料を、払い続けるのが一般的でした。

しかし、ITやAI技術の進化により出現した、この「テレマティックス保険」では、「車に搭載した【センサー】が、運転者の運転状況を、逐一、詳細にモニタリングし、その運転者自身の運転データに基づき、運転者(保険契約者)ごとの異なった保険料を設定することが可能になったのです。

※補足・・・【言葉の意味】テレマティクスとは?

テレマティクスとは「テレコミュニケーション(通信)」と「インフォマティクス(情報工学)」を組み合わせた造語です。日本では「情報通信工学」と呼ばれることも多いです。英語にすると「Telecommunication」と「Informatics」と書きます。

テレマティックス保険の種類と特徴は?

テレマティクス保険には、「走行距離に連動した」=【走行距離連動型】と、「運転者の運転特性に連動した」=【運転行動連動型】2種類に分類されます。

走行距離連動型(PAY:Pay As You Drive)

契約車両が実際に走行した距離によって、保険料が増減する仕組み。

【テレマティクス保険】走行距離連動型の特徴

走行距離が短いほど、保険料が安くなり、走行距離が長いほど、保険料が高くなる。

運転行動連動型(PHYD:Pay How You Drive)

運転者の運転特性(例えば、「速度」や「ハンドルの操作」、「ブレーキの踏み方」など)によって、保険料を増減させる仕組み。

【テレマティクス保険】運転行動連動型の特徴

アクセルやブレーキの操作が緩やかで、安全運転をすればするほど、保険料が安くなり、危険な運転をする運転者ほど、保険料が高くなる。

※この「運転行動連動型」が日本でも広く適用されれば、今、流行りの「あおり運転」などの、危険運転者への罰則的意味合いとしても、利用できそうですよね。

「あおり運転」などの危険な運転を行うほど、危険ドライバーには、高額な自動車保険料が課せられるようになり、危険運転を行うこと自体の抑制に繋がるのではないかと、僕自身は期待しています。

テレマティックス保険の保険料算出のロジックは?

テレマティックス保険の、保険料算定のロジックは、各保険会社の競争領域のため、特秘事項となっていますが、その中でも、「運転日時」「運転距離」「速度」の3項目は最も重要な項目だといわれています。

情報収集項目の共通部分(全体の約80%)

運転時間、運転日時、平均速度、最高速度、運転頻度、運転距離、運転場所、ブレーキのかけ方(強さ・頻度)、車線変更、ハンドリング、エンジンの回転数 など

情報収集項目の個別部分(全体の約20%)

各保険会社ごとに差別化の項目がある

テレマティックス保険のメリットとは?

テレマティックス保険のメリットを考えると、「保険会社」にも「ドライバー」にも、双方のメリットが存在することがわかります。

まず、ドライバー側(契約者)の、メリットに関しては、「保険料を安く抑えられること」が挙げられます。

「走行距離連動型」では、保険料の算定に、走行距離の長さが関わってくるので、仕事で長距離を運転するトラックドライバーなどは、「保険料が高くなる」傾向にありますが、通勤のみで車を使っているドライバーなどには、「保険料が安くなる」傾向が顕著に、出てきます。

一方、「運転行動連動型」では、速度や急ブレーキ、急ハンドル、ハンドル操作などの運転特性を、車に搭載されたセンサーが細かく査定して、安全な運転を行ってるドライバーには「保険料が安く」なるように、逆に危険な運転を行っているドライバーには、「保険料が高く」なるように、保険料が設定されます。

これは、「自動車事故が起こる確率は、運転するドライバーの個別性によって変化する」という仮説に基づいており、安全運転に自信のあるドライバーは、日々の運転次第で、「保険料を安くすることができる」という、大きなメリットが享受されます。

ドライバー側のメリット

  • 安全運転や、走行距離を短く抑えることで、これまでより「保険料」を安く抑えることができる

テレマティクス保険を導入する保険会社側のメリットは?

これまでの自動車保険では、保険料を算定するための条件は、大まかな括りでしか項目分けされておらず、その大まかな括りによって、だいたい均一の保険料を、契約者から徴収していました。

自動車保険を例でいうと、保険前に確認する条件としては、「年齢」、「事故履歴」、「ゴールド免許の有無」、「自動車の利用頻度」などの、一部の条件を考慮されるのみでした。

これは、統計的な手法を用いて保険料金を設定する「平均値」を中心とする算出方法が、保険会社で主に使用されていたためです。

ただし、近年、この「平均値」を中心に保険条件を算出することにも、新たな弊害が出てきました。これが「保険におけるモラルハザード問題」です。

保険における「モラルハザード(moral hazard)」とは、「保険に加入していることにより、リスクを伴う行動が生じること」を言い、「保険に守られている」という安心感から、倫理観の欠如や道徳的節度がなくなり、社会的な責任を果たさない人が、生まれやすくなるということの意味があります。

先ほども少し述べましたが、僕は、この「テレマティクス保険」が普及することで、「あおり運転」などの「危険運転」が少なくなればよいなと思っています。

正直、保険会社側でも、「過去の事故履歴」などを調べるだけでは、保険加入前の段階で「あおり運転者」や「危険運転者」を特定することはできず、保険契約時に、これら「乱暴運転者」を見分けることは、非常に困難だと言わざるを得ないのが現状なのです。

その結果として、近年、自動車保険加入者の交通事故が増加し、保険会社の保険金支払い金額も多くなってしまい「保険事業の採算が悪化する」事態にも、なってきているのです。

そういう意味では、「IOT」や「AI」の登場により、僕たち利用者だけでなく、保険会社側も、変革の時を迎えようとしていることが分かります。この「平均値」を基にした統計の世界から、個別の状況を判別できる「テレマティクス保険」の登場により、「平均値というベール」で隠されていたものがあぶりだされ、保険会社側の負担を、最適化してくれる未来がやってくるのです。

これは、保険会社にとっても「大きなメリット」だといえるでしょう。

保険会社側のメリット

  • 平均値から個別データへとシフトすることで、人々が注意して運転するようになり(モラルハザードが減少)、保険会社の採算も飛躍的に改善する

テレマティックス保険に「デメリット」はないのか?

テレマティクス保険の大きなデメリットとしては、「個人情報が保険会社に漏れてしまう」ことが挙げられます。

「監視社会」という言葉を、皆さんはご存知でしょうか?

「監視社会」とは、「一定の権力を持つ個人や組織によって、個人の行動が常に監視されている社会のこと」を言います。これは、カメラによる直接的な監視だけではなく、携帯電話を使った位置情報の取得や、パソコンやスマホの検索情報から得られる「購買情報」や「趣味嗜好の情報」、マイナンバーを使った住民記録、クレジットカードを使った信用情報などの個人情報が、IOTの普及により、一定の企業や権力者に集中してしまう社会の事を風刺しています。

今後、IOT技術やAI技術の普及により、世界の監視社会化は急速に進むでしょう。

テレマティクス保険も例外ではありません。

個人情報ともいえる「ドライバーの走行データ」が保険会社に丸わかりになってしまう危険性を、常に抱えながら、僕たちは、便利なサービスを使っていかなければいけない世の中に生きているのです。

監視社会の危険性についてはコチラの記事が分かり易かったです。参考までに。

デメリット

  • ドライバーの走行データという「個人情報」が、保険会社に漏れてしまう

「テレマティックス保険」は、自動車のみの話ではない!

テレマティクス保険は、何も、自動車保険だけのものではありません。今後は、生命保険や医療保険、火災保険などの、その他の保険の分野でも、「テレマティクス保険型」の保険商品が誕生していくことが予想されます。

この未来へと到達するためには、現在、課題も少し残っており、情報収集のためのセンサーから集めたデータを、「適正に評価し、保険料に反映させる」仕組みの改善が、より重要になっていきます。

人工知能の世界には「データマイニング」と言われる専門用語があります。

「データマイニング(データの採掘)」とは、ビッグデータのような巨大なデータ群から、有用な情報を取り出す技術のことを言い、「テレマティクス保険」の普及には、ビッグデータの取得技術の向上は、もちろん必要なのですが、この「データマニングの技術(膨大なデータの中から、有効なデータを取り出す技術)」の進歩も、なくてはならない命題となってくるのです。

2019年に発売された日本のテレマティックス保険

2019年は、日本でのテレマティクス保険元年になることでしょう。2019年1月に販売が開始されたテレマティクス保険を、最後に、ご紹介します。

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