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フリーランスとは|個人事業主とサラリーマンの違い

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フリーランスとは 個人事業主 サラリーマン 違い

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フリーランスとは|個人事業主とサラリーマンの違い

今回は、「フリーランス(個人事業主)」と「サラリーマン」の違いについて、説明していきます。

フリーランス(freelance)とは、特定の企業や団体、組織に所属しておらず、自分自身のスキルを提供することにより、社会的に独立した「個人事業主」や「個人企業法人」のことです。

日本では「自由業」「フリーランス」と呼ばれており、請け負った業務を遂行する人は「フリーランサー」「フリーエージェント」と言います。

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会社での働き方の比較表

会社での働き方を比較してみた
項目 正社員 契約社員 パート・アルバイト 派遣社員
雇用形態 無期限 有期契約 有期契約・短期労働者 派遣元会社との雇用契約
時間 残業があり、自由度は低い 残業は少ない 自由が利く 残業少ない
仕事 責任とやりがいがある責任とやりがいがある 補助的だが幅広い 単純作業が多い 決められた仕事のみ
お金 賞与・手当・福利厚生など 固定的・手当は少ない 時給低い・収入は不安定 派遣の条件次第
メリット 雇用が安定しており、収入も多いし、福利厚生などが充実している。副業解禁など、柔軟な働き方ができる会社も増えている 残業が少なく、副業をしやすい。正社員に登用する会社も増えている 時間を自由に使える。気楽に働けてストレスが少ない 会社との距離をとって、割り切って働ける。契約が終わっても、派遣会社が仕事を探してくれる
デメリット 制約が多く、責任が重いため、ストレスも多い 長期的な雇用が難しい。契約期間が切れたら、自分で仕事を探すことになる 立場が弱く、解雇されやすい。仕事が単純で、時給が安い 「3年ルール」があり、3年以上同じ職場では、働けない。短期間で仕事が変わるとスキルがあがらない

大手企業であっても、最近では、人材不足が特に深刻です。良い人材をつなぎ留めておくためにも、「柔軟な働き方」を認める会社も増えてきています。

「副業」を認める会社も増えていますし、「在宅勤務」や「テレワーク」といった柔軟な働き方を導入する会社も多くなっています。

こうした会社に勤めながら、毎月給料をもらいつつ、副業としての活動を始められれば、よりスムーズに独立して「フリーランス」になることが出来ます。

もちろん、これは「会社に迷惑がかからない」という前提です。会社の仕事をそっちのけにして、連日深夜まで、副業を行い、職場で眠そうにしていたら、さすがに印象は悪くなります。

準備不足のまま、独立してしまうと、しばらく収入が減ってしまい、生活が苦しくなりかねませんので、会社に勤めているうちに、貯金をしながら独立するための準備を始めておくほうが、「フリーランス」として、順調なスタートを切ることが出来ます。

ただし、会社に隠れて、こそこそと副業をすることは、それなりのリスクもあります。正社員のまま副業を行うのであれば、まずは会社の就業規程をチェックして、働き方のルールを確認する必要があります。

また、税制面でも注意が必要です。副業から「所得」が出た場合、税務上申告する必要が出てきます。

所得は、以下の計算式で計算すると、求められます。

所得とは

したがって、副業で既に収入がある人は、「収入」の額だけでなく、「経費」がいくらかかったかを集計しておく必要があります。そのためには、経費を支払った時の、領収書を集めたり、交通費をきちんと把握しておくなど、証拠となるものを取っておくことが必要です。

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「サラリーマン(従業員)」と「フリーランス」の違い

これから独立を考えているサラリーマンの人などは、現在は「会社」や「事務所」などの、どこかの「組織」に属している人が多いと思います。

組織に属している人は、当たり前ですが、「会社の上司」や「事務所の先輩」などから指示を出されて、その指示に従って仕事をすることになります。

その場合、いつまでに完了させるようにと「納期」を与えられて、その納期までに与えられた仕事を完了させます。この決められた時間内に、与えられた作業をする行為が、「サラリーマン(従業員)」の、基本的な役割です。

サラリーマンやOLは、会社との間で「雇用契約」を結ぶことになっています。皆さんも、最初に入社する時に「雇用契約書」にハンコを押しているはずです。

サラリーマンには、契約上、いつまで働くという期限がありません。会社を無断でサボったり、会社のお金を横領などして悪いことをした場合は、別ですが、普通に働いていれば、定年までは働くことが出来ます。会社としては、「正社員」として雇う以上、定年まで働いてもらう前提で、雇うのです。

「サラリーマン(従業員)」にも「デメリット」ばかりではなく「メリット」も存在します。

普通の会社であれば、「通勤手当」も出ますし、「社会保険」にも入れてもらえます。会社の経費で、「仕事机」「パソコン」「文房具」なども揃えてもらえます。また、退職すれば「退職金」がもらえるなど、様々な面で生活が保障されています。

また、「サラリーマン(従業員)」は、法律にも守られております。雇われる側は、どうしても会社より立場が弱いので、「労働基準法」という法律で守られています。

僕たちが、普通に働いているだけでは、会社は勝手に解雇することは出来ません。業績が悪くなるなど、やむを得ない理由で、会社側の都合で退職してもらう場合は、30日前までに事前予告をするか、30日分の手当を支払わないといけない、といったように、法律が守ってくれているのです。

さらに、この「労働基準法」では、勤務時間の上限も決められていて、原則として「週40時間以内、1日8時間以内」となっています。これを超えないように、会社は勤務時間を決めています。これを「所定労働時間」と呼びます。

この「所定労働時間」を超えて働くと、「残業」となり、別途「残業代」を払わないといけません。残業時間の制限も決められていますが、これを守らずに社員を長時間働かせていると、「ブラック企業」と呼ばれてしまいます。

フリーランスの「メリット」

「独立」して「フリーランス」になると、まず自由になるのが「時間」です。「フリーランス」になると、日々の過ごし方を自由に決めることが出来ます。

あとは、「仕事の選択」にも、自由が与えられます。「フリーランス」になると、様々な条件の仕事の中から、自分に合った仕事を、自分で引き受けるかどうかを決めることが可能です。

ただし、独立したばかりの「フリーランス」の人で、ほとんど仕事がない時期は、「単価が安い」「納期が短い」といった、条件が悪い仕事でも引き受けざるを得ない時期を過ごす場合もあります。逆に仕事が増えてきて、あなたの仕事が評価されてくると、条件も良くなり、優先的に、自分にとってやりがいのある仕事を、選ぶことが出来るようになってきます。

最後に「お金」の自由度も増します。

独立して「フリーランス」になると、自分が「経営者」になるわけですから、仕事を増やして、収入が増えれば、自分の儲けとなります。独立して始めた事業が軌道に乗れば、サラリーマン時代では得られなかったような、高収入が得られるかもしれません。

また、稼いだ収入を何に使うかも選べるようになります。「仕事道具」を購入するのか、「新しいスキル」を身に付けるのか、「人を雇う」のか、「交際費」にあてるのかなど、自分や会社の財布を、自由にコントロールすることが出来ます。

フリーランスの「デメリット」

まず「フリーランス」として独立すると、税務上は「個人事業主」と呼ばれ、いわゆる1人の「経営者」として扱われます。

時間も仕事も、お金も自由になる反面、誰も守ってはくれません。

自分で仕事を見つけて、仕事をする場所を確保して、お金のことも自己管理となります。

会社員(サラリーマン)のうちにやっておくべきこと

会社員であることの有難みは、退職してから実感します。

普通に働いていれば、毎月給料が貰えますし、ボーナスなども貰えます。組織に属していて、「安定した収入」があるということだけで、会社員には大きな信用が与えられているのです。

独立して「フリーランス(個人事業主)」になった時点で、この信用は「0」となってしまいます。つまり、「フリーランス(個人事業主)」として、仕事を増やしていくことで、「信用」を1から築いていくことになるのです。

「信用」のある「会社員」のうちに、やっておいた方が良いと思うことを、以下に記載しました。全て、必ずやる必要はありませんが、「フリーランス(個人事業主)」となってしまうと、何か起こってからでは、手の打ちようがなくなってしまいますので、「会社員」のうちに、出来る限りの準備はしておきたいものです。

会社員のうちにやっておくべきこと

  1. 当面の生活費として使える「貯金」を作っておく
  2. 「クレジットカード」を作っておく
  3. 車や家を購入予定の人は、「ローン」を組んでおく
  4. 会社の「健康診断」も受けておく

「貯金」を作っておく

まず退職前にやっておくべきことは、「当面の生活費」を確保しておくべきことです。つまり「貯金」です。

僕の経験上、退職後にもらえる「失業保険」を除いて、純粋な貯金だけで、最低「100万円」は、貯金しておくと、独立してから「半年間」は、生活費や家賃、税金、保険料などを、耐え凌ぐことができると思います。

ただし、この半年の間で「フリーランス(個人事業主)」として、仕事を軌道に乗せて、お金を稼げるようになるのは、なかなか難しいと思います。

僕は、独立してからお金の面で、困らないようになるくらいまでには「1年」をみておいた方が良いと思っています。

つまり、独立してから「1年間」は、自分のビジネスだけをやり続けられるように、充分な貯金を残しておく必要があります。

この「1年間」を、自分のビジネスだけに取り組める、充分な貯金額を計算すると、会社員時代に、頑張って「150万円~200万円」を貯めておけば、独立後も、精神的な面で安定して、自分のビジネスに、全精力を傾けられるようになるのではないかと思います。あとは、これにプラスして、失業保険で、「20万円~50万円」くらい入ってこれば、しばらくは食つなぐことが可能になります。

クレジットカードを作っておく(ローンを組んでおく)

あとは、退職前に忘れずにやっておきたいのは、「クレジットカードを作ること」と「ローンを組むこと」です。

これらは退職して「フリーランス(個人事業主)」となると、信用がなくなるため、どちらも突然難しくなります。

「カード会社」や「銀行」から見ると、独立後は安定した収入がなく、返済する能力が下がると判断されるからです。

既に、クレジットカードを持っている人でも、これから始める事業用に、「クレジットカード」をもう1枚持っておくと、独立後に、帳簿をつける際に、プライベート用と区別できるので、便利です。

また、車やマンションを購入する予定がある人は、「会社にいる間」に「ローン」を組んでおきましょう。

独立すると、事業が安定して、信用が付くまでは、「ローン」が組めなくなりますので、注意してください。

会社の健康診断も受けておく

あとは、会社の健康診断も、受けられるなら、退職前に受けておくと、退職後に「生命保険」に入る場合などに、役に立ちます。

また、独立して「フリーランス(個人事業主)」となり、仕事が忙しくなると、なかなか、自分では健康診断に行く時間が取れなくなっていきますので、無料で受けられる時に、活用させてもらい、出来れば行っておくのが良いでしょう。

会社を上手に退職する方法

会社を退職するためには、まずは、直属の上司に、相談する必要がありますが、その伝えるタイミングは、とても重要です。

法律上は、退職日の2週間前までに、辞める旨を、会社に伝えればよいことになっていますが、一般的な会社では、就業規則で、1ヵ月前までと決めている会社もあります。

そのような場合は、引継ぎのスケジュールや、残った有給休暇を消化することも考慮して、2~3ヵ月前には、上司と相談した方が良いでしょう。

例えば、僕が会社を退職した時は、これよりさらに余裕を持って、退職日から「1年前」に、「出来れば退職をしたい」という相談をしました。

僕が勤務していた会社は、大企業ではありませんでしたので、欠員の補充や、新しく入ってきた社員が、ある程度の仕事を覚えるまでを見越して、これくらい前には、最初の「アクション」として、上司に伝えておいた方がよいなと、思ったからです。

会社の規模が小さければ小さいほど、念には念を入れて、出来るだけ、会社に迷惑がかからないように、充分な時間的猶予を持った上で、退職の話を進めていくことが、お世話になった会社に対する「礼儀」としては、僕は必要だと思ったので、このように「1年間」をかけて、徐々に説得していった経緯がありました。

フリーランス(個人事業主)になると税金はどう変わる?

「会社員(サラリーマン)」であっても「フリーランス(個人事業主)」であっても、日本に居住している限りは、「所得税(国に払う税金)」と「住民税(都道府県・市区町村に払う税金)」を払う必要があります。

ただし、サラリーマンの場合は、会社が勝手に給料から税金を天引きしてくれていた(源泉徴収と呼びます)ので、これまでは「税金」のことは、ほとんど意識していなかったはずです。

税金の申告という面でいうと、会社員は、会社のおかげで、ずいぶんと楽をしてきたわけです。

ところが「フリーランス(個人事業主)」になると、事情が変わってきます。

フリーランスは自分で所得税を計算する

「フリーランス」は、税務上は「個人事業主(こじんじぎょうぬし)」と呼ばれて、自分で税金の計算をする必要が出てくるのです。これは、独立すると、「収入」や「経費」がいくらなのか、自分しかわからなくなるからです。

会社を退職すると、会社が税金を天引きしてくれなくなるので、自分で「確定申告」をしなければなりません。

まず、所得税については、退職した年から、その年の1年間の所得を集計して「確定申告」をする必要があります。そのため、前の会社から「源泉徴収票」を取り寄せて、他の所得と一緒に集計しなければなりません。

「所得税」について

個人事業主である「フリーランス」は、毎年3月15日までに、「確定申告」をして、国に対して「所得税」を支払わなければなりません。

自分の「収入」や「経費」がいくらだったか、そして支払う所得税がいくらになるのかを、自分で計算して、税務署に「自己申告」します。この一連の手続きが「確定申告」なのです。

「会社員(サラリーマン)」の場合は、この「確定申告」の代わりに「年末調整」と言って、毎年、12月になると、会社が代わりに税金を計算してくれていたのです。

所得税とは所得税(超過累進課税)とは|所得の種類・計算式や算出方法

「住民税」について

住民税は、所得税に比べて、支払いのタイミングが遅いです。

所得税は、毎年、3月15日までに支払いを済ませるのに対して、住民税はその後から、送れて支払いが来ます。

フリーランス(個人事業主)の人は、5~6月頃になると、住んでいる市区町村の役所から、前年の所得に対する住民税の金額が記載された「納付書」が届きます。

住民税の納付書は、一括または年4回(6月末、8月末、10月末、翌年1月末)のいずれかを選んで支払うことになります。

つまり、2019年分の収入に対する「所得税」は、翌年の2020年3月15日までに支払うのに対して、「住民税」の支払いは「2020年6月末から2021年1月末」までに支払うことになります。

(サラリーマンの人の「住民税」は、12分割で毎月の給料から天引きされることになります)

また、住民税は、退職した月によって扱いが変わってきます。

退職した月による「住民税」の違い
1月~5月に退職した場合 6月~12月に退職した場合
会社が天引きできなかった残りの月分の住民税が、最後の給料から差し引かれることになります。例えば、3月に退職した場合は、最後にもらう給料から、残りの3~5月分の住民税がまとめて天引きされます 退職した月の1ヶ月分だけが最後の給料から天引きされます。残りの住民税はどうなるかというと、後日、市区町村から直接、自宅宛てに「納付書」が届くので、自分で支払うことになります。ただし、事前に会社に伝えれば、最後の給料から残りの全額の住民税を天引きしてもらうことも出来ます。

「1月~5月に退職した場合」の人が注意すべきなのは、「天引きされるのは2年前の給料に対応する分の残りの住民税」です。

住民税は、後払いなので、1年前の給料に対応する「住民税の納付書」が、また5月~6月頃に、自宅に届くことになります。

この時期には、もう会社は退職していて、会社からの給料がありませんので、後からくる、この住民税を払えるだけのお金を、会社員時代に、ある程度想定して、残しておく必要があります。

給料が2年前とそれほど変わらなければ、天引きされていた頃の毎月の住民税×12ヵ月分が目安となります。納付書の金額を見て、びっくりしないよう、いずれも会社員の時に、しっかり準備しておきましょう。

フリーランス(個人事業主)の社会保険はどうなるの?

会社に勤めている会社員の人は「厚生年金」「健康保険」「雇用保険」「労災保険」の「4つの保険」が適用されています。

会社を退職して「フリーランス(個人事業主)」になると、「厚生年金」⇒「国民年金」へ、「健康保険」⇒「国民健康保険」に切り替えなければなりません。

一方、残りの「雇用保険」と「労災保険」は、「労働者のための保険」なので、経営者である個人事業主(フリーランス)は、加入できません。

  • 「サラリーマン(会社員)」⇒【厚生年金】【健康保険】【雇用保険】【労災保険】
  • 「フリーランス(個人事業主)」⇒【国民年金】【国民健康保険】

フリーランス(個人事業主)になると「社会保険」はどう変わる?

退職後、フリーランス(個人事業主)になると社会保険が変わる
会社員時代の社会保険 フリーランス(個人事業主)の社会保険
厚生年金 国民年金
健康保険 国民健康保険
雇用保険 ×(経営者になるので加入できない)
労災保険 ×(経営者になるので加入できない)

このように「サラリーマン(会社員)」と「フリーランス(個人事業主)」では、加入する保険の制度が異なってきます。

下の表を参考に、それぞれを、簡単に説明していきたいと思います。

サラリーマンとフリーランスの「公的保険」を比較
公的保険の制度 何のために? サラリーマン フリーランス
年金 老後に備えるため【加入は義務】 厚生年金【保険料:会社と本人で折半】将来の受取額は「多い」 国民年金【保険料:本人が全額負担】将来の受取額は「少ない」
健康保険 医療費の負担を軽くするため【加入は義務】 健康保険【保険料:会社と本人で折半】傷病手当金もあり 国民健康保険【保険料:本人が全額負担】傷病手当金はなし
雇用保険 失業中の働きたい人をサポートするため 【保険料:会社が半分以上を負担】 個人事業主本人は加入できない
労災保険 仕事でケガ・病気をした人をサポートするため 【保険料:会社が全額負担】 個人事業主本人は加入できない
まとめ 会社が保険料を負担してくれているため、手厚く保障されている 個人で保険料を全額負担しているのに、肝心の保障は少ないという不公平感がある

サラリーマンとフリーランスの「年金」

まずは「サラリーマン(会社員)」と「フリーランス(個人事業主)」の「年金」について、説明します。

「年金」とは、毎月、収入の一部を積み立てておき、老後に備えて、将来に「貯金」しておくという「公的な仕組み」のことです。

「年金制度」では、自分が払った保険料に応じて、老後に貰える「年金」の額が異なってきます。

この「年金」は、公的な仕組みですので、日本では、全ての日本国民(サラリーマンもフリーランスも)が、「年金への加入は義務」となっています。

日本の「年金制度」では、「サラリーマン(会社員)」の場合は、「厚生年金(こうせいねんきん)」という制度に加入し、「フリーランス(個人事業主)」の場合は「国民年金(こくみんねんきん)」という制度に加入します。

「サラリーマン(会社員)」の人が加入する「厚生年金」は、「サラリーマン(会社員)」の人が貰う給料に比例して、支払う保険料も高くなっていってしまうのですが、「サラリーマン(会社員)」の場合は、会社が保険料を「半分負担してくれる」ので、本人の負担は「軽く」なります。

言い換えると、「サラリーマン(会社員)」の「厚生年金」は、会社が折半して支払ってくれている保険料の分、本人が負担する保険料の2倍の金額を、積み立てていることになるので、将来貰える「年金受給額」が多くなり、お得になります。

「フリーランス(個人事業主)」の場合の「年金」は、「厚生年金」から、「国民年金」に切り替えることになります。(最初からフリーランスとして働く人の場合は、初めから国民年金に加入します)

「フリーランス(個人事業主)」が加入する「国民年金」で支払う保険料は、サラリーマンのように、収入が増えても、それに比例して上がることはなく、毎月、一定額の保険料を支払うだけ(平成30年現在は、毎月1万6,340円)にはなりますが、負担は「全額自己負担」となります。

「国民年金」の場合は、会社が保険料を、折半してくれない分、「フリーランス(個人事業主)」の人は、「サラリーマン(会社員)」と比べると、将来貰える「年金受取額」が少なくなります。

例えば、「フリーランス(個人事業主)」が加入する「国民年金」だけだと、「20歳から60歳になるまでの40年間」、ずっと保険料を支払い続けたとしても、将来貰える「年金受取額」は、「毎月6万5,000円」程度になります。

しかも、「フリーランス(個人事業主)」には、「退職金もない」ので、老後の生活費をどう確保するかについては、若い時からきちんと考えておく必要があるのです。

サラリーマンとフリーランスの「健康保険」

次は、「サラリーマン(会社員)」と「フリーランス(個人事業主)」の「健康保険」について、説明します。

これも「年金」と同じように、日本では「公的な医療保険への加入は義務」とされています。

「健康保険」とは、「健康保険」に加入すると「保険証」が発行してもらえ、「病気」や「ケガ」などで「医療費」がかかっても、本人は、その「3割のみ負担」すればいい、という制度のことです。

例えば、こうした公的な医療保険がないと、高い医療費を「本人が全額負担」することになるので、気軽に病院へ行けなくなってしまいます。

なお、「40歳以上の人」は、「介護保険」も適用となり、「健康保険」に、その「介護保険」分の、保険料も上乗せされます。つまり、40歳を超えると、全ての人の「健康保険料」が高くなるということなのです。

「サラリーマン(会社員)」が加入する「健康保険」は、「年金」の項目で説明した「厚生年金」と同じように、負担は、会社側が「保険料を半分負担してくれる」ようになっています。

一方、「フリーランス(個人事業主)」が加入する「国民健康保険(国保と言う)」は、年金の項目で説明した「国民年金」と同じように、負担は「全額自己負担」となります。

さらに、自治体が運営している、「国民健康保険(国保)」は、「前年の所得に応じて、支払う保険料が高くなる」ので、支払う額が一定額であった「国民年金」と比較して、負担が大きいと感じる人も、多いと思います。(収入が多い人ほど、支払う保険料も多くなります)

また「健康保険」や「国民健康保険」の「保険料」については、住んでいる市区町村によって異なり、「世帯単位で計算される」ため、退職する前に、「市区町村の役所の国保担当窓口」で確認するか、各自治体のウェブサイトで、試算してみることをオススメします。

例えば「愛知県」に住んでいる人と、「山形県」に住んでいる人では、「同じ所得額」の人でも、支払う保険料の金額が、微妙に違ってくるので、注意が必要です。

退職後2年間は、「健康保険」の「任意継続」も可能

なお、退職後、2年間だけですが、現在勤めている会社の「健康保険」に「任意継続(にんいけいぞく)」という形で、引き続き加入することが可能です。

「任意継続」にすると、「支払う保険料」は、「会社との折半」から「全額自己負担」となってしまいますが、「扶養家族がいる人(妻や子供がいる人)」は、「任意継続」をする人の方が、「国民健康保険」へ切り替える人よりも、保険料が安くなる可能性もあります。

支払う予定となる「保険料」については、各自治体のウェブサイトで、あらかじめ計算することができますので、退職する前に、どちらがお得になるかを、住んでいる自治体のウェブサイトで試算して、事前に検討し、退職する前に、会社に「任意継続」を行うか、「国民健康保険」に借り換えるかを、伝達するようにしましょう。

ただし、「健康保険」の「任意継続」をしたい人は、「退職した次の日(資格喪失日)から20日以内に手続きをしないと、任意継続ができなくなる」ので、退職後は、早めに住んでいる市区町村の役所へ行き、手続きを行ってください。

(また、健康保険から国民健康保険に切り替える人は、退職後、14日以内に、住んでいる市区町村の役所へ行き、切り替えの手続きをする必要がありますので、忘れないでください。)

健康保険「任意継続」のメリットと「国保」へ切り替えるメリット

退職前に選択する 「健康保険」の「任意継続」をする人 「国民健康保険」への切り替えをする人
選ぶ基準 妻や子供などの「扶養家族」がいる人は、「任意継続」の方が、お得になる可能性がある 妻や子供などの「扶養家族」がいない人は、「国民健康保険」への切り替えの方が、お得になる可能性がある
保険料の負担 2年間は「健康保険」のままだが、会社折半がなくなり「全額自己負担」となる 「健康保険」から「国民健康保険」に切り替えなければならず「全額自己負担」となる
手続きの期間 退職した翌日から、20日以内に、住んでいる市区町村の役所で、「任意継続」の手続きをしなければならない 退職した日の翌日から、14日以内に、住んでいる市区町村の役所で、「国民健康保険」への切り替えの手続きをしなければならない
支払う保険料 前年の「所得」に応じて、支払う保険料も「高く」なる 前年の「所得」に応じて、支払う保険料も「高く」なる

サラリーマンの「雇用保険」&「労災保険」

最後に「サラリーマン(会社員)」の「雇用保険」と「労災保険」について、説明します。

この2つの保険は、「会社」に雇われている「労働者」のための「公的な保険制度」で、2つ合わせて「労働保険」と呼ばれています。

会社員だけが加入できる「雇用保険」と「労災保険」

「雇用保険」も「労災保険」も、「会社に雇われている労働者」のための「公的な保険」ですので、「サラリーマン(会社員)」になると、会社が「加入」してくれますが、「フリーランス(個人事業主)」になると、経営者となるために、加入することが不可能となります。

「雇用保険」とは、失業中の生活を支えるために「失業手当」を支給したり、次の職場を見つけるために、ハローワークで「求人紹介」や「職業訓練の場」を提供するなど、労働者の雇用を促進するための制度となります。

個人事業主である「フリーランス」になると、会社に雇われている「労働者」ではなくなるために、「雇用保険には加入できません」。

ただし、退職前の会社で、一定期間、雇用保険に加入していた人は、次の仕事を見つけるまでの間、失業中でも、雇用保険制度のサポートを受けることが出来ます。(失業手当や再就職手当などの各種手当や給付があります)

失業保険 雇用保険 計算方法 計算式失業保険(失業手当)計算方法&計算式|賃金日額・受給額・給付金額

もう1つの「労災保険」も、会社に雇われている「労働者」のための「公的な保険制度」となります。

「労災保険」とは、会社での業務中や通勤途中で、病気や事故などの災害にあった場合に、「保険金」が支給されるという制度のことです。

「労災保険」の「保険料」は「全額会社が負担している」ため、労働者は一切、支払う必要はありません。

この「労災保険」は、会社に勤めている期間にのみ適用されるので、会社を退職して、「フリーランス(個人事業主)」となった人には、関係がなくなります。

独立後、仕事がなければ失業保険は貰えるのか?

「フリーランス(個人事業主)」として「開業した人」は、「既に仕事を始めている状態」とみなされるため、「失業保険(失業手当)」は貰えなくなります。

ただし、まだ独立準備が整っておらず、もっとスキルを磨きたい、もっと貯金をしてから独立したいという人などは、「次の会社への転職」を視野に入れながら、住んでいる近くにあるハローワークへ相談すると、「失業保険」が貰える可能性があります。(あくまで、まだフリーランスとして開業していないという状態であることを、ハローワークで証明する必要があります)

失業保険は、先述した「雇用保険」という制度から、支給されます。この「雇用保険」には、会社の労働者をサポートするために、様々な「手当」や「給付金」が用意されています。

その「手当」や「給付金」の中でも、代表的なものが、失業中の生活費を補うための「失業保険(失業手当)」であり、正確には「基本手当」とも呼ばれているものになります。

この「失業保険」は、失業した人全員が貰えるわけではなくて、「雇用保険」の保険料の支払いを、一定期間、継続して行ってきた人で、さらに様々な条件を満たした人だけが、支給を受けることが出来ます。

まず「失業保険」を貰いたい人は、大前提として、現在は「失業中」であり、かつ「再就職したくて、求職活動をしている」状態だと、近くのハローワークへ行き、正式に認められないと、支給されません。

ですので、独立後、すぐに「フリーランス」として開業してしまった人は、既に仕事を始めていて、「失業状態ではない」とみなされるため、支給条件が満たされず、失業保険(失業手当)も支給されなくなりますので、注意が必要です。

雇用保険の「手当」と「支給条件」

雇用保険で活用できる制度と主な条件
雇用保険の制度 目的 内容 適用のための主な条件
失業手当(基本手当) 失業中で、就職したい人の生活を保障する 離職日直前の6ヵ月の賃金日額の、およそ「45%~80%」が支給される。支給期間は「90日~360日」。自己都合退職の場合、退職後、最初の3ヵ月間は、失業手当を受けられない ハローワークで求職の申し込みを行い、就職しようとする積極的な意思があることと、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。離職日以前の2年間に、通算して1年以上雇用保険に加入していること(自己都合退職者の場合)
再就職手当 早めに就職できた人に、失業手当の代わりに支給する 失業手当が、まだ残っている状況で、早期に就職する場合に、支給される。就職日の前日までに、支給業手当の支給残日数が、3分の2以上残っていれば残額の70%、3分の1以上残っていれば残額の60%が一括で支給される 失業手当の支給残日数が3分の1以上残っていることと、再就職先で、1年以上の雇用が見込めること、失業手当の手続きをする前から、既に採用が決まっていた事業主に雇用された就職ではないこと、就職先が離職前の会社と関係がないことなどの条件を満たす必要がある
教育訓練給付制度 就職するために必要なスキルを身に付ける 専門学校などの受講料の一部が支給される。「一般教育訓練」と「専門実践教育訓練」があり、支給条件や支給額が異なる。「一般教育訓練」は、在職中だけではなく、退職後1年以内でも、利用できて、受講料の20%が支給される。「専門実践教育訓練」は、資格取得など、より専門的な教育訓練が対象となり、受講料の50%が支給される 一般教育訓練の場合、「受講開始日、現在で雇用保険の加入期間が3年以上(初めて支給を受ける時は1年以上)」、「厚生労働大臣が指定した教育訓練講座であること」、「受講する講座の修了要件を満たすこと」など、所定の条件を満たす必要がある
注意
紹介している情報は、2019年8月時点の情報です。現在は変更になっている場合もありますので、詳細は、「ハローワークインターネットサービス」にて、ご確認ください。

まず、あなたが失業保険が貰える条件を満たしているかどうかを確認するためには、あなたが今勤めている(もしくは前に勤めていた)会社で雇用保険に入っているかどうかを確認しましょう。

「パート」や「アルバイト」の人でも、週に20時間以上働いているなどの条件に当てはまれば、雇用保険への加入が義務化されていますので、入っている可能性が高いです。

会社に人事に確認するのも、早いすが、直近に貰った給与明細に「雇用保険料」が「控除されている(差し引かれている)」のが、確認できれば、雇用保険に入っていることが、証明できます。

また、「手当」の支給を受ける場合は、雇用保険に1年以上加入していることが条件となるモノのあるので、「加入期間」も忘れずに確認しておきましょう。

あと、「雇用保険」でとにかく気を付けたいのが「不正受給」です。

受給の条件に当てはまるように、嘘をついて手当をもらってしまうと、もらった額の「3倍」を返金しなければならない「ペナルティ」が待ち受けていますので、不正受給にならないように、お近くのハローワークと相談しながら、制度を利用していってください。

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独立開業するにはまず何をすべきか?

独立して「フリーランス(個人事業主)」となる前には、色々とやるべきことがあります。

下の表を参考に、できることから、少しずつ手を付けていってください。

開業準備のチェックリスト
区分 チェック項目 ポイント
1.会社を退職する 退職時期を決める 上司と相談しながら、繁忙期の退職を避け、円満退社となるように、前もって退職の意向を伝えましょう。
クレジットカードを作る・ローンを組む 会社員としての「信用」あるうちに、クレジットカードを作ったり、家や車のローンを検討しておきましょう。
貯金を作る 退職後の生活費や、住民税・所得税などの支払いも考慮して、独身であれば、半年から1年間の生活で、100万円~200万円の貯金は作っておいた方が良いです。
健康診断を受ける・福利厚生を利用する 在職中に健康診断を受けたり、福利厚生のポイントも利用しておきましょう。
退職後の社会保険を検討し、決めておく 会社の「健康保険」を任意継続にするか、家族が「健康保険」に入っている場合は「家族の扶養」に入るか、それとも「国民健康保険」に切り替えるか、の「3パターン」が考えられますので、1番、お得なモノを決めておきましょう。
住民税の扱いを確認しておく 退職する時期が「1月~5月」の場合と、「6月~12月」の場合で、退職時の住民税の支払い方法が変わってきます。独立後に支払う住民税がいくらあるのかを、会社に確認できる場合は、しておきましょう。
失業保険が貰えないかを確認する 在職中に雇用保険に加入していた時期が、一定期間以上あり、退職後、すぐに独立せずに転職も検討している場合は、ハローワークで失業保険などの手当が貰えないかを、調べておきましょう。
2.開業準備をする 社会保険の切り替えをする 退職後は、すぐに「国民年金」や「国民健康保険」への切り替え、または、「健康保険の任意継続」、「家族の健康保険の扶養に入る」手続きを行ってください。
屋号を決める 屋号を使って仕事をする場合は、あらかじめ屋号を決めておきます。
オフィスを借りる 自宅以外で仕事をする場合は、早めに物件を探して、賃貸契約を行っておきます。
お金を借りる 自己資金以外に、必要な資金を親族や知人から借りる場合は、必ず「契約書」を作成して、文書に残しておきましょう。
仕事道具を買う 開業前に購入したものは、「開業費」として表にまとめておくと、あとで便利です。
ホームページやSNS(名刺)を作る 退職後に、すぐに営業ができるように、早めに準備しておきましょう。軌道に乗り始めたら「名刺」などを印刷するのも良いでしょう。
仕事用の印鑑を作る 屋号を使わなければ、ひとまず「丸印」を作っておきましょう。
請求書や領収書などのフォームを用意する 個人名や屋号を入れた仕事用の文書のテンプレートを用意しておきましょう。
3.開業後の手続きをする 開業届けを提出する 税務署と自治体に開業届けを提出しましょう。
白色申告か青色申告かを選択する 青色申告にする場合は、税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する
仕事用の通帳を作成する プライベートの通帳と区別しておくと、帳簿付けが楽になります。
仕事用のクレジットカードを作成する プライベートのクレジットカードと区別するために、作成しておきましょう。
帳簿付けの準備をする 青色申告にするために、「クラウド会計ソフト」などの導入も検討しましょう。

個人事業主になったら仕事用の印鑑は作るべきか?

「フリーランス(個人事業主)」として仕事を始める場合は、「個人名が入った印鑑」であれば、仕事上は特に問題ありません。

まずは、仕事用の印鑑として「丸印」を作っておけば良いでしょう。ただし、いわゆる「シャチハタ」など、内部にインクが入っているゴム印のものは、税務署に提出する「開業届」や「申告書」など、役所に提出する「公的な書類」では使えないので、シャチハタ以外で、個人名が入った通常の「丸型の印鑑」を、1つ仕事用にしておきましょう。

この「丸印」は、100円均一ショップで売っているような安いハンコ(「認印」や「三文判」とも言います)でも、支障はありませんが、仕事で作成する契約書や請求書などの書類に、きちんとしたハンコが押してあると、お得意先の信用が高まりますので、せっかく独立して「フリーランス(個人事業主)」となるのなら、1番使用頻度の高い「丸印」を作りましょう。

「フリーランス(個人事業主)」の人は、仕事とプライベートの区分が、あいまいになりがちなので、印鑑の使い分けによって、その区分を、しっかりと意識するようにしましょう。

あとは、「銀行印」「角印」「ゴム印」などの印鑑は、今後、必要に応じて作っていけば良いと思います。

仕事で使用する印鑑の種類

丸印 シャチハタではない、仕事用の「丸印」が1つあれば、基本的には大丈夫です。
銀行印 仕事用の銀行口座を開設する時に使います。「フリーランス(個人事業主)」の場合は、銀行口座も、一般的な個人用の口座を開く時と同じ手続きなので、「認印」や「三文判」でも対応できます
角印 請求書や領収書など、対外的な書類に押すもので、仕事上の「認印」のような役割を持っています。
ゴム印 ゴム印は「店判(たなばん)」ともいわれ、住所や屋号、連絡先などを入れたハンコで、封筒の裏面や領収書などに押されるものです。

フリーランス(個人事業主)になるための手続き

「フリーランス(個人事業主)」として「開業」したことを明らかにするためには、まずは、「開業届」を「税務署」に提出しましょう。合わせて「地方自治体」へも、「開業届」と「青色申告の承認申請書」も提出しておけば、まずは「フリーランス(個人事業主)」になるための手続きは、完了です。

「フリーランス(個人事業主)」が、開業に伴って提出する書類には、以下のような書類があります。たくさんありますが、最初から人を雇ったり、給料を払うことがなければ、「上から3つの書類」を提出しておけば問題ありません。

「フリーランス(個人事業主)」が開業時に提出する主な書類

区分 提出書類 提出の目的 提出先 提出期限
税金 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書) 開業して個人事業主になる時(国への提出) 税務署 開業の日から1ヵ月以内
開業届(事業開始等申告書など) 開業して個人事業主になる時(自治体への提出) 都道府県税事務所、市町村役場 自治体ごとに異なる(東京都の場合、事業開始から15日以内など)
所得税の青色申告承認申請書 青色申告を申請する時 税務署 開業の日から2ヵ月以内(1月15日までに開業した場合は、3月15日まで)
給与支払事務所等の開設届書 従業員や家族に給料を支払う時 税務署 給与支払い開始から1ヵ月以内
青色事業専従者給与に関する届出書 青色事業専従者として家族に給料を払う時 税務署 開業の日や新たに専従者がいることになった日から2ヵ月以内(1月15日までに専従者がいることになった場合は、3月15日まで)
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 源泉税の納期を年2回に変更した時 税務署 随時
所得税の減価償却資産の償却方法の届出書 固定資産の償却方法を選択する時 税務署 最初の確定申告期限(3月15日)まで
所得税の棚卸資産の評価方法の届出書 棚卸資産(在庫)の評価方法を選択する時 税務署 最初の確定申告期限(3月15日)まで
消費税課税事業者選択届出書 開業の年から、あえて課税事業者を選択する場合 税務署 開業した年の年末まで
消費税簡易課税制度選択届出書 消費税の計算方法で、簡易課税制度を選択する場合 税務署 簡易課税の適用を受けようとする年の前年末まで
労災保険 労働保険保険関係成立届 従業員を雇った時 労働基準監督署 雇用した日から10日以内
労働保険概算保険料申告書 従業員を雇った時 労働基準監督署 雇用した日から10日以内
雇用保険 雇用保険適用事業所設置届 雇用保険の対象となる従業員を雇った時 ハローワーク(公共職業安定所) 雇用した日の翌日から10日以内
雇用保険被保険者資格取得届 雇用保険の対象となる従業員を雇った時 ハローワーク(公共職業安定所) 雇用した日の翌日から10日以内

住んでいる住所の税務署へ「開業届」を提出する

「フリーランス(個人事業主)」として、開業する場合、必ず提出するのが「開業届」という書類です。

「開業届」は「A4」1枚の書類で、記載する項目もそれほど多くないので、住んでいる住所を管轄している「税務署」へ行き、その場で「記入」して提出することが出来ます。

税務署に行けば、その場で提出日付が入った収受印(書類を受け取って収めたことをしるす印のこと)を押された控(ひかえのこと)をもらえます。

この「開業届」の控は、「銀行で屋号入りの口座を作る場合」や「創業融資や助成金を申請する場合」などで使いますので、必ず貰うようにしましょう。

どの税務署に行けばいいかわからない人は、住んでいる住所ごとに、行くべき税務署が決まっていますので、事前に国税庁のホームページで確認しておきましょう。

また、税務署に行けない人は、国税庁のホームページから開業届の用紙がダウンロードできるので、「郵送」でも提出することが可能です。この場合でも、提出用と控用の2部を印刷して、切手を貼った返信用封筒を同封しておけば、控(ひかえのこと)を返送してもらえます。

住んでいる自治体へ「開業届」を提出する

税務署に「開業届」を提出したら、次は住んでいる自治体へも「開業届」を提出します。

これは、各自治体ごとに、「名称」「様式」「提出期限」などが異なっていることもあり、中には「提出しなくても済む自治体」もあります。窓口は「税務署」ではなく、都道府県の場合は「〇〇県税事務所」「〇〇都税事務所」という役所が担当しています。市町村への提出は不要な場合が多いですが、住んでいる地域の市役所等の個人市民税課といった部門が窓口になっています。

例えば、東京都の場合は、管轄の都税事務所に「事業開始等申告書」という名前の開業届を提出すれば、区への提出は不要となっています。ただし、東京都の場合は、提出期限が早く、開業した日から15日以内となっていますので、注意してください。

また、地域によっては、税務署で提出する「開業届」が4枚複写となっていて、税務署に提出すれば、提出した税務署から、都道府県や市町村に送ってくれる地域もありますので、まず、所轄の税務署に開業届を提出する際に、自治体への提出方法を尋ねるのが、1番良い方法だと思います。

住んでいる住所の税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」を提出する

開業した年から「青色申告」を選択する時は、税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。これは、「白色申告」と選択する人には、不要です。

「所得税の青色申告承認申請書」の提出期限は、「開業した日から2ヵ月以内(1月15日までに開業した人は、3月15日まで)」となります。

開業届の提出よりも、1ヵ月間の余裕がありますが、開業届と同じタイミングで、税務署に提出してしまうと、2度手間にならずに時間の節約にも繋がります。

ハローワークで失業保険を受けたい人は?

上で説明した「3つの書類」の他にも、様々な提出書類がありますが、アルバイトを雇ったり、家族に仕事を手伝ってもらって、給料を払うようになると、提出が必要となる書類が、急に増えだします。

先ほど記載した「フリーランス(個人事業主)が開業時に提出する主な書類」の表を参考に、提出しなければいけない書類を用意して、提出先の期間に提出するようにしてください。

あと、退職後に「ハローワーク」に相談して、「失業保険」などの手当を受けたい人は、「開業届を出す前」に、まずは「ハローワーク」へ行きましょう。

先に開業届を出してしまうと、既に就職したものとみなされてしまい、雇用保険からの必要なサポートが受けられなくなります。

また、退職後の「社会保険」で、「家族が加入する健康保険組合」等の「扶養に入る」ことを考えている人は、「開業届」を提出する前に、「フリーランス(個人事業主)」でも「扶養に入れるかどうか」、被扶養者になるための具体的な基準を、「健康保険組合」等に、確認しておいた方が良いでしょう。

「フリーランス(個人事業主)」にも必要な「確定申告」って何?

「確定申告(かくていしんこく)」とは、1年に1回、税務署に対して行う手続きのことで、「自分の1年間の所得(儲け)を確定させて、税務署に自ら申告する」仕組みのことを言います。確定申告は、必ず翌年の3月15日までに手続きをしなければなりません。

(確定申告書の提出期限は、3月15日までとなっており、納税地の住所を管轄する税務署に、提出することになります。)

「開業届」を提出すると、税務署に対して、自分は「個人事業主」であると宣言したことになります。

「個人事業主(フリーランス)」になると、会社員時代とは異なり、開業したその年から、自分で帳簿を付けて、決算を行い、「確定申告書」を作成しなければなりません。

つまり、「フリーランス(個人事業主)」は、自分の収入や経費がいくらだったかや、その差引きである「所得(所得=収入ー経費)」を、自分で計算することになるのです。

独立すると、自分自身でしか、自分の収入や経費を把握することが出来なくなりますので、日々「帳簿」をつけて、収入と支出を、きちんと管理する必要が出てきます。

「フリーランス(個人事業主)」は、1人の「経営者」です。

経営者にとっては、経理の状況をしっかり把握することは、とても大切なことなのです。

ただし、「フリーランス(個人事業主)」となってから、皆さんが経理のプロになる必要はありません。経営者としては、決算書の数字の意味がある程度わかり、申告書の内容も理解できるようになる程度で、問題ありません。

最近では、とても便利な「クラウド会計ソフト」などを利用すれば、「帳簿入力」から「申告書の作成」までを、「クラウド会計ソフト」が、効率よく行ってくれますので、まったく税の知識がない、「フリーランス(個人事業主)」初心者の人たちは、このような便利ソフトを利用してみてはいかがでしょうか。

いずれにしても、今後、ビジネスを続けていく上で、「経理の知識」も、ある程度は持っていた方が良いと思いますので、時間がある時に、独学ででも勉強してみることを、おすすめします。

白色申告より青色申告の方がお得なの?

「確定申告」には「青色」と「白色」の「2種類」があり、「白色申告」には、何のメリットもありませんが、「青色申告」には、きちんと帳簿を付ける代わりに、税金を安くしてくれる「税金の優遇措置」という、税務上の恩恵がありますので、「開業届」を提出し「フリーランス(個人事業主)」になったばかりの人も、「青色申告」を選択することを、オススメします。

「開業届」を提出し、「フリーランス(個人事業主)」となった人は、「確定申告」をする上で、「白色申告」か「青色申告」の、いずれかを選ぶことが可能です。ただし、あえて「青色申告」を申請しなければ、自動的に「白色申告」を選んだことになってしまいますので、「青色申告」を選び、所轄の税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」という書類を、「開業した日から2カ月以内」に提出するようにしてください。

「白色申告」と「青色申告」の違いは何?

「白色申告」は、昔からあった選択肢で、簡単に言うと「帳簿を付けるのは面倒なので、帳簿付けをやらない代わりに、税金の優遇も不要です」という方法になります。

ところが、2014年に「所得税法」が改正されて、「白色か青色に関わらず、個人事業主は、全員帳簿を付けなさい」ということになってしまいました。

こうなってしまうと、「白色申告」を選択する「メリット」が、まったくなくなる事態となり、「フリーランス(個人事業主)」として、これからずっと「確定申告」をしていく以上、最初から、税金を安くできる「青色申告」を選ぶ方が、お得だという考え方が、現在では広まっています。

具体的に「青色申告」で受けられる恩恵は、以下の表を確認してください。簡単に説明すると、その年の税金を安くできる「青色申告特別控除」や、赤字を将来に繰り越せる「純損失の繰越し・繰戻し」、30万円未満の仕事道具を経費に一括で入れられる「少額減価償却資産の特例」といった、税制上の優遇が受けられます。

「青色申告」にすると受けられる「税制上の優遇措置」

「青色申告」で受けられる「メリット」
項目 メリット 概要と節税効果
青色申告特別控除 毎年の所得税(事業所得)を減らすことが出来る 「青色申告」をしていれば、複式簿記で帳簿を付ける場合、1年間の「事業所得(儲け)」から、最高65万円まで控除できるという制度。事業所得が減ることにより、「所得税」や「住民税」が安くなる。ただし、「簡易簿記」を選択した場合は、最高10万円までしか控除できない。
純損失の繰越し・繰戻し 将来の所得税が安くなる(または前年の所得税を取り戻せる) 1年間のプラスの所得とマイナスの所得(損失)を相殺しても、まだ赤字が残った場合(税務上は「純損失」という)、青色申告していれば、この「純損失」を翌年から3年間繰り越すことができるという制度。これにより、翌年以降に出た黒字(プラスの所得)と相殺して、将来の税金を安くすることができる。(純損失の繰越し)または、前年1年間に払った税金をさかのぼって取り戻す(還付)することもできる。(純損失の繰戻し)事業が赤字だった時に活用したい制度である。
青色事業専従者給与の必要経費算入 家族に給料を払って、経費にすることが出来る 自分の事業を手伝ってくれる「配偶者」や「親族」に給料を払ったら、その給料も、事業の経費にできるという制度。支払った給料の分だけ「事業所得」が減らせるので、「節税効果」が高い。ただし、これが認められるには、「給料を払う家族が事業主と同居している」ことや、「1年のうち6ヵ月を超える期間で事業に専従している」ことなど、一定の条件をクリアする必要がある。
少額減価償却資産の特例 30万円未満の資産を、一括で経費に出来る パソコンや仕事道具などの資産を購入した時に、原則として「1台10万円未満」までは、一度に経費にできるが、「青色申告」をしていれば、「1台30万円未満の資産(【少額減価償却資産】という)」まで、一度に経費にできるという制度。ただし、「年間で300万円」までしか認められない。

「青色申告」を選択するためには、住んでいる住所の管轄の税務署へ、「所得税の青色申告承認申請書」という書類を提出します。

また、開業した年から「青色申告」を選択したい場合は、「所得税の青色申告承認申請書」の提出期限が定められており、「開業した日から2ヵ月以内(1月15日までに開業した人は3月15日)」に提出するようにしてください。

この「提出期限」を過ぎてしまうと、その年は「白色申告」となり、税務上の恩恵を受けることが出来ませんので、十分に注意してください。

開業した年に、帳簿をつける余裕がないという人は、翌年以降に、「会計ソフト」の準備が整ってからでも「青色申告」に変更することも可能ですので、その場合は、青色申告にしたい年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出すれば、その年の分の確定申告から、「青色申告」を、選択することが可能になります。

源泉徴収ってどんな制度?

「源泉徴収(げんせんちょうしゅう)」とは、報酬や給料が生じる源(みなもと)から、税金を先に徴収してしまおう、という仕組みのことです。

「会社員」「アルバイト」「パート」などの企業に雇用されて働いている人は、源泉徴収によって、給料や報酬から、会社に税金分を抜かれています。その分、「確定申告」をする必要はなくなりますが、まったく「税金」についての実感や知識がないままに、生活をしていってしまうという「デメリット」も存在します。

「源泉徴収」は、税金を取りやすい最初の段階である「報酬や給料が発生した時点」で、報酬や給料を支払う会社が、税金を天引きして、国に収めるという制度です。

「所得税」は、基本、「確定申告」による「後払いシステム」なのですが、国の立場からすると、後払いが多くなると、税金を取り損ねてしまう可能性が高くなるため、この「源泉徴収システム」によって、強制的に「先払い」をさせるという手法を取っているわけです。

また、「源泉徴収」は、「会社の義務」となっています。

「源泉徴収」では、あなたが貰う報酬から「10.21%」が「源泉税」として天引きされ、引かれた残額が手取りとして振り込まれます。

1人も従業員を雇っておらず、誰にも給与を払っていない「フリーランス(個人事業主)」の場合は、源泉徴収をしなくてもよいことになっているのですが、「フリーランス(個人事業主)」でも、仕事が軌道に乗ってきて、アシスタントなどを雇うようになると、会社と同様に「源泉徴収義務者」となり、源泉徴収した所得税を国に収めなければならなくなります。

国民年金の負担が重くて払えない場合は?

会社を退職して「フリーランス(個人事業主)」となると、これまで会社員時代に加入してきた「厚生年金」から「国民年金」へと切り替える必要があります。

独立したばかりで、負担が重いという人は、未納にしておくのではなく、「保険料の免除」や「猶予の申請」も検討するようにしましょう。

「フリーランス(個人事業主)」になると、「国民年金」に加入することになるのですが、「フリーランス(個人事業主)」などの「自営業者」は、「国民年金」の「第1号被保険者」という区分になり、毎月一定額の保険料(平成30年現在は1万6,340円)を、支払わなければなりません。

独立したばかりの頃は、一時的に無収入の状態となるのですが、だからといって、保険料を払わない「未納」の状態だと、将来受け取る「年金」の金額が減額されるだけでなく、「国民年金制度」から支給される「障害年金」や「遺族年金」が、受け取れなくなってしまいます。

さらに、ずっと「未納」の状態を放置すると、「督促状」が送られてきて、最悪の場合、強制的に資産を差し押さえられることにも、繋がりかねません。

そのような「経済的」に厳しい人のために、「国民年金」には、「保険料の免除」や「猶予」といった制度があります。当面の間、保険料の負担を軽くしたい人は、このような制度を申請できるかどうかを、検討してみてください。

国民年金の免除・猶予

国民年金の免除・猶予
区分 所得基準(前年または前々年の所得) 免除・猶予後の月額保険料 将来の年金受取額への反映 障害年金・遺族年金
全額免除 (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円 0円 全額納付した場合の年金額の2分の1が反映される 受け取れる
4分の3免除 78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 4,090円 全額納付した場合の年金額の8分の5が反映される 受け取れる
半額免除 118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等  8,170円 全額納付した場合の年金額の8分の6が反映される 受け取れる
4分の1免除 158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 12,260円 全額納付した場合の年金額の8分の7が反映される 受け取れる
納付猶予 (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円 0円 反映されない 受け取れる
未納 16,340円 反映されない 受け取れない

「国民年金の免除や猶予」に関しては、前年の所得の金額に応じて、免除してもらえる保険料の幅や、猶予されるかどうかが決まってきます。「免除」を受けるためには、本人の所得だけでなく、配偶者や世帯主(親)の所得も、判断の対象となります。

一方「猶予」については、学生が受けられる「学生納付特例」と、50歳未満の低所得者を対象とした「納付猶予」があります。

「猶予」に関しては、「免除」よりも、申請条件のハードルが低く、本人と配偶者の所得だけで判断されるため、世帯主である親の所得が多い場合でも、申請が認められる場合があります。

また、会社を退職して「失業状態」の人には、「特例免除」という扱いもあり、本人の前年の所得に関係なく、免除が認められるという制度もあります。

これを利用すると、会社員時代にある程度の給料をもらっていて、前年の所得が高いという人でも、保険料を全額免除してもらえる可能性があります。

その他にも、あなたの配偶者が「会社員」で「厚生年金」に入っており、当面、あなたの年収が少なければ、「配偶者の扶養に入れる」可能性があります。扶養されている間は「第3号被保険者」という区分になり、保険料を払わなくて済むのです。

「第3号被保険者」は、本人は保険料を払わないのに、将来もらえる年金は、毎月きちんと保険料を支払っている自営業者と同じとなっており、かなり優遇されている立場にあります。

このように優遇されている「第3号被保険者」になるには、いくつかの条件があります。

その条件とは、あなたが「20歳~60歳未満で、今後1年間の年収見込みが130万未満であり、かつ配偶者の年収の半分未満」などの条件です。全体として、配偶者の収入で生計を支えてもらっているという状況です。

ただし、独立して順調に仕事が増えて、年収が130万円以上になる見込みとなった場合には、扶養を外れなければならないので、あくまでも一時的な利用と考えた方が良いでしょう。

扶養の加入手続きは、配偶者が勤める会社を通じて行うので、具体的な認定基準や提出書類については、夫や妻から、早めに確認してもらうようにしましょう。

健康保険料の負担が重くて払えない場合は?

「年金」と同様に「フリーランス(個人事業主)」にとって負担が重いのが「健康保険」です。

「フリーランス(個人事業主)」の人の「健康保険」の加入先には、4つの選択肢があり、保険料を比較しながら、条件の良いところに加入するのおが得策です。

「フリーランス(個人事業主)」の「健康保険」の加入先

  1. 国民健康保険(市町村国保)
  2. 国民健康保険組合(国保組合)
  3. 前の会社の健康保険に「任意継続」する
  4. 家族が加入している「健康保険」の「扶養」に入る(家族が国民健康保険だと扶養には入れない)

上の中で「③」と「④」の選択肢は、短期的な選択ですので、いずれは「①」か「②」に加入することになります。それぞれの加入条件や保険料を比較しながら、自分に合った最適なものを選びましょう。

フリーランスが入れる4つの健康保険制度の比較表

「フリーランス」が入れる4つの健康保険制度の比較
区分 国民健康保険 国民健康保険組合 任意継続 家族の扶養に入る
特徴 地域ごとに運営 業界ごとに運営 退職した会社の健康保険に最長2年間、継続加入できる 家族が加入する健康保険の扶養に入る
加入条件 フリーランスは原則加入 業界団体への加入が必要 退職の翌日から20日以内に手続きをする必要がある 年収130万円未満など扶養条件をクリアする必要がある
加入手続き・窓口 市区町村役場の国保担当 加入したい国保組合の窓口 退職した会社が加入する協会けんぽ・健康保険組合等 家族の勤務先が加入する協会けんぽ・健康保険組合等
保険料

・前年の所得に応じて高くなる

・世帯ごとに計算される

・地域によって保険料が異なる

・組合ごとに計算方法が異なる

(文美国保は所得に関係なく定額)

・会社負担が無くなるため「全額自己負担」

・扶養家族が増えても保険料は変わらず

・家族(扶養者)は保険料を払うが、本人(被扶養者)は自己負担なし
総合評価

・所得が多いと保険料が高くなる

・他の制度と比較して有利なモノを選ぶ

・保険料が安くなる可能性がある(ただし、業界団体に支払うコストも考慮する必要はある)

・最長2年間しかできないが、保険料が安ければ、選択肢に入る

・会社の福利厚生が継続利用できる

・本人の保険料は不要になるが、年収基準を超えるまでの短期的な選択肢である

①国民健康保険

「国民健康保険」は、多くの「フリーランス(個人事業主)」が加入する一般的な「健康保険」です。

各自治体が運営しており、市区町村ごとに「保険料」が異なり、かなりの地域差もあります。

保険料は「世帯」ごとに計算さるため、退職して、実家に戻ったりする場合は、世帯主が一括して支払うことになります。

また、「国民健康保険」は「前年の所得」に応じて、高くなるのが特徴で、保険料を計算するためには、「世帯の人数」「年齢」「前年の所得金額」「固定資産税」などの、色々な要素が必要となります。加入後の保険料がいくらになるかの試算は、お住まいの市区町村のホームページで行うか、市区町村の国保窓口に尋ねてみましょう。

②国民健康保険組合

①の国民健康保険(市町村国保)は、住んでいる地域ごとに加入するのですが、②の国民健康保険組合(国保組合)は、業種ごとに分かれていて、同じ業種の方が、組合員として加入する形の「健康保険」なのです。

例:クリエイター団体の「文芸美術国民健康保険組合(文美国保)」など

業種によって、いろいろな国保組合が存在します。ただし「国保組合」に入るためには、業態団体への加入が必要になってきます。業界団体への加入には「入会金」や「年会費」がかかってきますので、「保険料+入会費」が安くなるようだったら、検討する価値は十分あると思います。

③任意継続

「任意継続」とは、退職した会社の保険に、そのまま加入することが可能な、最長2年間の一時的な「健康保険」です。

「任意継続」すると、妻や子供などの「扶養家族」がいる人にとっては、「保険料が安くなる」場合があります。

「フリーランス(個人事業主)」が入ることになる「国民健康保険」では、「同一世帯の家族の人数が増えると、保険料も増えていく」のですが、「任意継続」を行い「会社の社会保険」に入ったままにすると、「扶養家族が増えたとしても、保険料は増えないため」です。

「任意継続」できる期間は「2年間」だけですが、任意継続の方が、保険料が安ければ、退職しても「国民健康保険」へは切り替えずに、任意継続した方が、お得になります。

ただし、逆に、独身で「扶養家族がいない」人にとっては、「任意継続」することで「保険料が高くなる」場合があります。

在職中は「会社が半分を負担してくれていた保険料」が、会社を退職することで、「全額自己負担」となってしまいますので、まだ「独身」で「扶養家族」がいない人にとっては、「メリット」がなくなり、支払う保険料が高くなる傾向にあります。

独身で扶養家族がいない人は、①、②、④の内の、1番保険料が安くなる選択肢を選んで、切り替えるのがおすすめです。

④家族の扶養に入る

最後は「家族」の人が勤務している会社の「健康保険」の「扶養家族」に入る方法です。

両親や配偶者などの家族が、勤務している会社の「健康保険」に加入している場合は、当面あなたの収入が低ければ、「扶養」に入れる可能性があります。

「扶養」されている間は、健康保険を支払わなくて済むので、独立したばかりの「フリーランス(個人事業主)」にとっては、とても助かります。

ただし、「年金」と同様に、年収が「130万円以上」になる見込みとなったら、扶養を外れなければならないので、あくまで一時的な利用だという認識でいましょう。

事業が赤字だったら税金は払わなくてOKなの?

「事業所得」がマイナスで、他に所得がなければ「所得税」や「住民税」は払わなくてもOKです。

ただし、赤字であっても「確定申告」は、必ず、するようにしましょう。

赤字の時でも、きちんと「確定申告」をすることで、将来の税金や、国民健康保険が安くなるといった「メリット」を享受できます。

「事業所得」の「純損失」を繰り越せる「青色申告」の制度とは?

独立1年目は、まだまだ収入も小さくて、支出だけが多くなるため、赤字だという人も多いと思います。

「フリーランス(個人事業主)」となり、最初から黒字になる人は、めったにいません。

大切なのは、1年目が赤字であっても、きちんと「青色申告」をすることです。

事業所得がマイナスで、他に所得がなければ、全体の所得がマイナスとなり、「所得税はゼロ」になり、払わなくてもよくなります。

「住民税」に関しては、自治体ごとの違いはありますが、所得がゼロであれば、「住民税も非課税となりゼロ」となります。

ただし、住民税は「後払い」となるため、翌年6月以降に支払う分から、ゼロとなりますので、若干の注意が必要です。

事業所得が「赤字」になった時に、覚えておいてもらいたいのが、「青色申告」の税優遇制度の1つである「純損失の繰越し・繰戻し」という制度を、忘れずに活用するということです。

これは、今年の分の税金だけではなく、将来の税金を安くできる方法になりますので、是非、活用して頂きたいのです。

今年の「事業所得」が「損失(マイナス)」で、他に所得がない時や、給与所得や雑所得などの他のプラスの所得と相殺しても、まだ損失が残った場合、このマイナスの状態を「純損失」と言います。

この時、「青色申告」をしていれば「純損失」を、翌年から3年間繰り越すことが出来ます。

つまり、翌年以降に出る黒字と、繰り越した「純損失」を相殺することで、将来の税金を安くできるのです。

この制度を利用するには、確定申告書の「第四表」という、追加の書類を提出する必要があるので、事業所得が赤字になった時は、忘れずに「税務署」へ提出するようにしましょう。

「事業所得」が「赤字」になれば「社会保険料」も安くなる

「事業所得」が赤字の時は、「社会保険料」も安くなる可能性があります。

国民健康保険

まず「フリーランス(個人事業主)」が加入する「国民健康保険」の「保険料」については、所得がゼロであれば、「翌年の保険料が7割軽減」されることになります。

ただし、「国民健康保険」では、「世帯全体の所得で判断される」ため、他の家族に所得があれば、軽減率は低くなるかもしれません。

なお「国民健康保険料」は、確定申告した所得の額に応じて、「各自治体が計算する」ので、「自分から軽減の申請をする必要はありません」。

国民年金

また、「国民年金」の保険料についても、所得がゼロであれば、申請により全額免除になる可能性があります。

ただし、世帯主や配偶者の所得の金額も、免除が通るかどうかの、判断基準となってきますので、その点だけ注意してください。

「国民年金」については、上で説明した「国民健康保険」と違い、「自分自身で市区町村の役場の窓口へ行き、免除申請をする」必要があります。

この「免除申請」をすると、将来受け取れる年金は少なくなってしまいますが、将来、事業が軌道に乗り、儲けが出た年に、10年前までさかのぼって、「国民年金」の「保険料」を追納することも出来ますので、安心してください。

「健康保険」や「年金」の保険料は、とても高いので、軽減や免除を受けられると、翌年はとても助かります。赤字の時こそ、こうした制度を利用して、将来に備えることも重要です。

「フリーランス(個人事業主)」でも出来る「資金調達方法」

最近では「フリーランス(個人事業主)」でも、「国」や「自治体」の支援や、「クラウドファンディング」などの「新しい資金調達方法」も普及してきて、小規模の「フリーランス(個人事業主)」でも、お金を調達しやすくなっています。

ここ数年、「国」や「地方自治体」が、新たに創業する経営者や地元の中小企業を、様々な形で支援する傾向が強くなってきました。

「創業のためのビジネスプランの作成」をサポートしたり、「返済不要の助成金」を出したり、「公的な予算」での支援も、増えています。

「フリーランス(個人事業主)」が利用できる「資金調達方法」

また「クラウドファンディング」や「仮想通貨」などの新たなツールを利用して、不特定多数の個人から、少額ずつの資金を、ネットで広く集める仕組みも普及しつつあり、昔と比べても、「資金調達の方法」の選択肢が増えています。

身内から借りる場合の注意点

実際に、お金が足りなくなった時は、「親や兄弟」「親戚」「友人」などに支援をお願いすることも出てくるかもしれませんが、身内からお金を借りる時に、気を付けたいのが、しっかりと「借入契約書」を作っておくことです。

「借入契約書」を作っておかないと、もし「お金をもらった」とみなされた時に、税率10~55%の「贈与税」が掛かってきてしまうことがあります。

身内からお金を借りる際は、「A4で1枚程度の簡単なもの」でも良いので、「返済のスケジュール」や「借入率」などの最低条件を記入した「借入契約書」を作成しておきましょう。

さらには念には念を入れて、返済日の返済は、現金ではなく、銀行振込にして、きちんと返済したという証拠を残しておくのも、重要です。

銀行借入(金融機関の借入)

「フリーランス(個人事業主)」が、一般の銀行から「お金を借りる」のは、信用などの問題により、正直ハードルが高いです。

この場合は、政府系金融機関の「日本政策金融公庫」や、都道府県や市区町村が提供する「制度融資」を活用するようにしましょう。

上記を利用した借入は、一般の借入よりも「利率が低く」、「フリーランス(個人事業主)」を始めたばかりの人でも、比較的借りやすいのが「メリット」としてあります。

ただし、実際に借入を達成するためには「事業計画」を、より具体的にして、現実的で、説得力のある内容に、ブラッシュアップしなければなりません。

「助成金」や「補助金」に応募する

国や自治体が出す「助成金」や「補助金」に応募して、見事採用されると、「返済不要」の「資金」を調達することも可能です。

ただし、人気のある「助成金」だと、審査も厳しく、難易度が高いため、競争も激しくなります。

しかし、なんといっても「返済不要」という条件は魅力的なので、申請条件を満たす案件であれば、是非、チャレンジしてみると良いでしょう。

「クラウドファンディング・サービス」を活用する

「クラウドファンディング」とは、インターネットを通じて、不特定多数の支援者が、様々な「プロジェクト」に対して、資金提供をする仕組みのことです。

「クラウドファンディング」をサービスとして提供する事業者は、調達した資金から、「10~20%」程度の「手数料」を取って、サービスを運営しています。

「クラウドファンディング」には、主に「寄付型クラウドファンディング」「購入型クラウドファンディング」「投資型クラウドファンディング」の「3つの種類」に分類されます。

「クラウドファンディング」を使った「資金調達」の「メリット」としては、

「クラウドファンディング」については、過去の記事で詳しく書いていますので、それらをチェックしてみてください。

未公開株クラウドファンディング 株式投資型クラウドファンディング未公開株クラウドファンディング|株式投資型クラウドファンディングまとめ

「フリーランス(個人事業主)」の主な資金調達方法

フリーランス(個人事業主)でも出来る「資金調達」
区分 親族・知人 政府系金融機関・制度融資 クラウドファンディング 助成金・補助金
調達方法 親族や知人など身内からお金を借りる 日本政策金融公庫からの借入や、地方自治体の制度融資を利用する 民間の企業が運営する「クラウドファンディング・サービス」のプラットフォームを使って、支援者から広くお金を集める 国や自治体、財団法人等から、助成金や補助金をもらう
メリット

・理解を得られれば、一番お金を借りやすい

・外部に無駄な手数料や利息を払わなくて済む

・一般の金融機関よりも、金利が安く、審査が通りやすい

・創業者、女性・若者、小規模事業者向けなど、融資の種類も多く、サポートが充実している

・気軽に始められて、資金も集まりやすい

・元本の返済が不要な「購入型クラウドファンディング」や「寄付型クラウドファンディング」、元本の返済が必要な「融資型クラウドファンディング」などの、様々な種類のプラットフォームを選択することが可能である

・返済不要でまとまったお金が貰える

・公的な審査に合格したことを、対外的にアピールできて信用が高まる

デメリット

・借入契約書を作っておかないと、贈与税のリスクがある

・関係が悪くなると身内のトラブルに繋がりやすい

・審査に通るためには、しっかりとした事業計画書が必要である

・きちんと返済しなければならず、プレッシャーは大きくなる

・多くの支援者に対して、上手にアピールできなかったり、プロジェクトや募集している側の知名度が低ければ、失敗する可能性もある

・サービスを利用するための、手数料が高い

・申請期間が短く、審査書類の作成もかなり面倒

・制度の数が多く、沢山の団体が実施しているため、選ぶのが難しい

コスト・リターン 身内同士の貸し借りなので、外部流出がない 低金利とはいえ、一定の利息と手数料がかかる 手数料が取られるので、集まったお金を全額使うことは出来ない 申請のための時間や手間はかかるが、リターンは大きい
容易さ 独立したばかりで信用がなくても借りられる 一般の金融機関(銀行など)と比べると、容易に貸し借りできる 気軽に利用でき、想像以上のお金を集めることも可能である 初めて自力で申請する場合は、わからないことが多く、相当苦労する
総合評価 貸してくれる身内がいれば、有難く借りた方が良い 開業のためにまとまったお金が必要な場合は、有力な選択肢になる クラウドファンディングの種類も増えており、特長を抑えて、上手に利用したい 難易度が高いので、時間的な余力があれば、是非チャレンジしたい
ベンチャーキャピタル クラウドファンディング 違いベンチャーキャピタルと株式投資型クラウドファンディングの違い

「事業所得」が「黒字」の時に節税する方法

節税対策のためには、日頃から損益を把握しておくことが必要です。

まだ、年内であるならば、「小規模企業共済」の「掛金支払」や「国民年金」の「追納」によって、かなりの節税が可能です。

立ち上げた事業から、今後も継続して利益が出るようなら、「青色申告」の税制優遇制度でる「青色事業専従者給与の必要経費算入」も検討しましょう。

「事業所得」が「黒字」になった時の「節税方法」

節税対策で、最も重要なことは、年末までに「今、いくら儲かっているのか」ということを、把握しておくことです。

「確定申告書」を作る段階で、「今期は凄く儲かっていた」ということが分かったとしても、「年を越してしまうと、出来る節税対策が少なくなります」ので、出来れば月に1度は、帳簿を付けて、損益を確認するようにしましょう。

年内であれば、節税の方法として、「小規模企業共済」へ、加入することがおすすめです。

「小規模企業共済」で退職金を作りながら節税する方法

「小規模企業共済」とは、中小機構という「公的機関」が運営する「個人事業主」や「小規模会社の役員」のための「退職金制度」です。

自分で設定した掛金(1,000円~7万円)を、毎月積み立てることで、将来、退職金が受け取れるという仕組みです。

「掛金」は「1年分まで前払いできる」ので、「掛金の最高額7万円×12ヵ月=84万円」を、1度に積み立てることが可能です。

実は、この「掛金」は「支払った年」に、「全額が所得控除できる(所得を小さくできて税金が安くなる)」ため、税金を安くすることができ、老後資金を積み立てながら、節税をすることが出来ます。

また、「掛金」は、変更も出来ますので、その年の利益の大小に応じて、「掛金」を増減させれば、負担も少なく済みます。

制度の詳細や加入手続きに関しては、「中小機構」のホームページを確認してください。

「国民年金」の「追納」で節税する方法

これまでに「国民年金」の「年金保険料」の「免除」や「猶予」を受けたことがある場合、最大で「過去10年間分」の「年金保険料」を、まとめて「納付することができる」のが、「追納(ついのう)」という制度です。

将来、受け取ることができる年金の額が増えるだけでなく、納付した年に、保険料全額を「社会保険料控除」として「所得控除」できるので、かなりの節税となります。

ただし、これは「国民年金」の「免除」や「猶予」を利用した人が対象となります。

また、国民年金を追納したい人は、住んでいる地域の管轄の「年金事務所」への申し込みが必要ですので、具体的な、申込み手続きに関しては、「日本年金機構」のウェブサイトを確認してください。

「青色事業専従者給与の必要経費算入」で節税する方法

あと、1つ大きな「節税方法」としては、「青色申告」の「青色事業専従者給与の必要経費算入」があります。

「青色事業専従者給与の必要経費算入」とは、「確定申告」で「青色申告」を選択した場合の、税金の優遇制度なのですが、「事業専従者」、つまり、「あなたの事業」に専従している「配偶者」や「親族」に給料を払った場合、他の従業員と同じように、その給料を「経費にできる」という制度になります。

この「青色事業専従者給与の必要経費算入」という制度は、、そもそも「税法のルール」として、「個人事業主が同一世帯の家族に、給料を払っても、事業の経費には認めない」というルールの、例外を認めた制度なのです。

例えば、仕事を手伝っている「夫」や「妻」に、給料として毎月8万円を支払えば、年間で「96万円」が経費にできて、事業所得から減らすことが可能になるのです。

事業所得が減るということは、その分、税金が安くなります。

この「青色事業専従者給与の必要経費算入」という制度を使えば、毎年の所得を大幅に減らすことが出来るので、大きな節税効果が期待できるようになります。

ただし、家族が「青色事業専従者」と認められるためには、いくつかの条件を満たす必要があり、「事業主と同じ家計で生活していること」、「専従者の年齢が15歳以上であること」、「事業に専従していること(1年のうち6ヵ月超、または開業してから年末までの期間の半分超の期間を従事していること)」、「届出書を提出期限までに税務署に出していること」、「届出書に記載した方法で給料を払っていて、かつ記載した金額の範囲内であること」、「給与の額が労務の対価として相当であること(一般的な水準と比べて高すぎないこと)」などの条件を、すべて満たす必要があります。

つまり、時々、仕事を手伝っている程度では、「専従者」とは、認められないということなのです。

これらの「条件」が、クリアできそうな場合は、住んでいる地域の管轄の「税務署」に、「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出しましょう。提出期限は、適用を受けたい年の3月15日までです。

「青色事業専従者給与の必要経費算入」のデメリット

しかし、この「制度」には「デメリット」も存在します。

「青色事業専従者給与の必要経費算入」の制度を利用すると、「家族」にも「従業員」と同じように「給料を支払う」ことになるので、あなたが「源泉徴収義務者」となってしまい、支払う給料や報酬に対して、「源泉徴収」をする必要が出てきます。

さらに、給料をもらう家族の側も、給与金額が大きくなれば、サラリーマンと同様に「所得税」や「住民税」を支払うことになります。

ただし、こうした「デメリット」があることを理解しながらも、節税メリットの方が、上回る可能性が高いので、毎年継続した「利益」が出始めた「フリーランス(個人事業主)」の人は、是非、この制度の活用を検討してみてください。

また、上記に紹介した「節税対策」をしても、まだまだ「所得」が多くて、税金が高いという人は、そろそろ法人化を検討する時期に来ている段階だと思いますので、最後に、「フリーランス(個人事業主)」の法人化について、簡単ですが、説明していきたいと思います。

「法人化」をする「メリット」は?

「法人化」とは、新しく会社を設立して、これまでやってきた「フリーランス(個人事業主)」での事業を、会社に移すことです。

法人化することで、さらに節税できる「メリット」がある反面、「事務負担の増加」や「コストの増加」などの「デメリット」もありますので、法人化をする際は、本当に必要かどうかを、しっかり検討しましょう。

「法人化」する「メリット」や「デメリット」は?

法人とは、「法律」で認められた、バーチャルな人格を持つ「組織」です。個人と同じように、法人自体が、他の個人や法人と契約したり、取引をすることが可能となります。

また、お金も「個人のお金」と「法人のお金」は、完全に区別されます。

法人化する場合は、「株式会社」を作るのが一般的ですが、目的に応じて「合同会社」「社団法人」「NPO法人」といった法人を作ることもあります。いずれも、個人とは別の組織である「法人」として、事業を行うことになります。

それでは、実際に法人化すると、「フリーランス(個人事業主)」だった頃と、何が変わるのでしょうか?

法人化の最大のメリットは「節税するための選択肢が増える」ということです。

その他にも「大手企業との取引がしやすくなる」「株式を発行して出資が受けやすくなる」「社会的な信用ができる」「会社の経営者として代表取締役になれる」「事業を売却しやすい」「倒産しても有限責任」など、様々な「法人化」のメリットがあります。

一方、「法人化」には、「デメリット」もあります。

会社の設立や運営で「事務負担が増える」ことや、「社会保険への加入が義務付けられること」「交際費に上限があること」などの「デメリット」が挙げられます。

特に法人化すると、事務負担は相当重くなり、社会保険の事務手続きも大変になるため、専門家の助けを借りずに、全てを1人でこなそうとすると、かなりしんどいと思います。

これらの「メリット」と「デメリット」を比較しながら、今後、事業をさらに拡大し、本格的にビジネスを展開していこうと思ったら、法人化することをお勧めします。

法人化の目安としては、売上高が「1,000万円」を超えて「消費税の納税義務者」になったり、個人の課税所得が「600万円」を超えてきたら「法人化」を検討するタイミングだと思います。

「法人化」すると「税金」はどうなるの?

「法人化」すると、会社には法人特有の税金である「法人税」「法人住民税」「法人事業税」などが、かかります。

個人事業主が支払う「所得税」は、所得が増えると、「税率」自体が上がっていきます(累進課税)が、法人税は「税率が一定」になっています。

この「法人税」の「税率が一定である」という点が、節税のための「鍵」となるのです。

もう一度、おさらいすると、「フリーランス(個人事業主)」については、「所得税」「個人事業税」「消費税」などの税金がかかります。ただし、「個人事業税」は、法定業種に該当して、「事業所得」が「290万円」を超えたときに発生します。

消費税は、課税売上高が「1,000万円」を超えたら、払うことになります。

一方、法人化した会社については、「法人税」「法人住民税」「消費税」などの税金がかかります。

ただし、「住民税」と「事業税」は、個人と法人とでは、計算方法が、まったく異なっていますので、若干、注意が必要です。

さらに、法人化した会社になると、個人では不要だった「住民税・事業税の申告書」も、別途作成して、自治体に提出しなければなりません。

なお、消費税に関しては、「フリーランス(個人事業主)」と、ほとんど同じ仕組みとなります。

「法人化」のメリットは節税にある

法人化する1番の目的は、節税にありますが、重要なポイントは、「個人の所得税」と「会社の法人税」では、「税率」の仕組みが違っているということです。

「税率」とは、税金計算の元になる「課税所得」に掛ける「パーセンテージ」のことを言います。

「個人の所得税」の金額は、「所得」の金額が増えるにつれて、「5%~45%」まで上がっていく仕組みになっています。つまり「所得」が増えるほど、「税率」が上がっていくのです。

このように、より多く儲かった人には、より高い税率が課せられる仕組みのことを「累進課税(るいしんかぜい)」と呼びます。さらに「個人」は、この「所得税」に加えて、「個人住民税」を「10%」支払うことになるのです。(個人の最高税率は45%+10%=55%となり、半分以上の税金を支払っている人が実際にいるのです)

一方、「法人税」では、税率が一定となります。会社の規模(資本金額)などによって違ってきますが、中小法人で所得が「800万円以下」であれば、実効税率(法人税、法人住民税、法人事業税をまとめた税率)は、「23%」程度となっています。

したがって、「個人事業主」の「所得」が増えるほど、税率の差が大きくなるため、法人化をして、実効税率23%にすることで、節税メリットが大きくなるのです。

「法人化」によって変わること

法人化を行うと、あなたは会社の「社長(代表取締役)」になりますので、今度は、「会社から給料(役員報酬)をもらう」立場になります。

このもらった給料に対しては、サラリーマンなどの会社員と同様に、個人として「所得税」や「住民税」を支払うことになります。

給料が多くなればなるほど、「もらう側」の「個人の税金」は増えていきますが、「支払う側」である会社の「経費」になるので、「会社の税金」を減らすことができるようになるのです。

さらに、法人化した会社には「青色申告」の「青色事業専従者」のような制約がないので、「家族」を、「会社の役員」や「従業員」にして、給料を払えば、さらに節税の余地が広がります。

また、「赤字」を翌年以降に繰り越せる期間が、「青色申告」の「個人事業主」では「最長3年間」でしたが、「法人」は「10年」までOKという「メリット」もあります。(逆に、赤字でも法人住民税を7万円支払わなければいけなかったり、交際費に上限ができるなどのデメリットもあります)

このように「法人化」することで、会社の利益と、本人や家族の給料を、上手にバランスさせながら、全体の税金を少なくすることが出来るのです。

「法人化」すると「消費税」は得するの?

個人事業主の時に、年間の売上高が「1,000万円」を超えてしまい、消費税の「納税義務者」となった場合でも、「法人化」した後の「個人」と「会社」は別物だと判断されるために、原則として「会社を設立してから2年間」は「免税事業者」となり、消費税を払う必要はなくなります。

「法人化」による「消費税」の節税方法

最初に「消費税の仕組み」を簡単に説明しておきます。

会社でも個人事業主でも、国内でビジネスとして、継続的にモノを売ったり、サービスを提供していれば、原則として「消費税」を払う義務が出てきます。この場合、売上に含まれる消費税を会社が預かっておき、仕入れや経費に含まれる「消費税」を差し引いた残りを納税するという仕組みです。

ただ、この消費税の制度にも例外があり、まだ売り上げが少ない時期には、「免税事業者」として、消費税の納付が免除されるのです。

具体的には、1年間の売上が「1,000万円以下」であれば、消費税が免除されます。

ただし、売上が「1,000万円」を超えたら、すぐに消費税を納めなければいけないかと言うと、そうでもなく「最大2年間」の時間の猶予が与えられています。例えば、今年1年間の売上が「1,000万円」を超えたとしても、実際に消費税を払う義務が発生するのは、2年後からとなります。

この「ルール」によると、新規に開業したり、会社を新規に設立した場合には、最初の2年間は、基準となる過去の売上が、まだない状態ですので、最長2年間は、消費税が免除されるのです。

これを上手に利用すると、消費税を節約することが出来ます。

個人事業主と会社は、それぞれ別のものとして判断されるため、個人事業主としての売上が増えてきて、「免税から納税にかわる年」に「法人化」をすれば、判断基準が一旦リセットされることになるため、法人化した年から、まだ最長2年間、「免税事業者」のままでいられるのです。

(ただし、資本金が1,000万円以上の会社は、設立した年から消費税を払う義務があります)

このように「個人事業主」の「免税期間」と、「法人化した会社」の「免税期間」を組み合わせれば、「最長4年間」も「消費税」を払わなくて済むのです。

消費税の税率は、2019年10月に10%に上がりますので、ますます負担が大きくなっていきます。

売上高が「1,000万円」を超えたら、いずれは「納税義務者」となり、ある年から「何十万円」もの、多額の「消費税」を納めることになります。消費税が払えなくて困ることがないように、事前によく検討するようにしてください。

フリーランス(個人事業主)の相談窓口

「お金」や「税金」のこと、「給料」や「社会保険」のことなど「フリーランス(個人事業主)」となると悩みは尽きないと思います。

それらの問題を早く解決するためには、常に良い相談相手を見つけておくことも、重要です。

最近は、「国」や「自治体」も企業支援に力を入れていて、「経営者」が気軽に相談できる窓口も増えていますので、困ったときには、それぞれの専門家に相談してみては、いかがでしょうか。

経営者の主な「相談窓口」

分野 悩み 相談窓口・ウェブサイト 支援内容
開業準備 開業準備を始めたい、事業計画や資金計画を立てたい 都道府県等中小企業支援センター 創業したい人への総合的なサポートを行っている。様々な専門家と相談できる窓口もある
各地域の商工会議所 小規模事業者向けの創業支援、経営相談を行っている
中小企業庁「ミラサポ」 中小企業庁が運営するポータルサイト。企業や助成金・補助金など、中小企業支援のための全般的な情報を掲載
中小企業診断士 経営全般に関する相談や事業計画作成のサポートを行っている。自治体や商工会議所等が無料相談を実施。
お金 税金や確定申告、帳簿の付け方、開業後の届出のことがわからない 管轄の「税務署」 国税(所得税・消費税など)に関する相談、申告書、届出等の提出
市区町村の役所の「税金担当」 地方税(住民税・事業税など)に関する相談、申告書、届出等の提出
税理士 税金や確定申告、開業後の税務上の手続きなどに関する相談を行っている。自治体や税理士会等が無料相談を実施。
お金を借りたい 日本政策金融公庫 支店窓口や自治体の支援センター等で、新規開業や小規模企業者向けの融資など、具体的な相談を行っている
各自治体の商工融資係など 自治体が斡旋を行う制度融資についての相談を行っている
人事・労務 社会保険や労働保険、人を雇用する時の手続きがわからない 社会保険労務士(社労士) 人事・労務全般や助成金申請の相談を行っている。自治体や社労士協会等が無料相談を実施
国民年金や国民健康保険のことがわからない 市区町村の役所の年金・国保担当 退職後の切り替え手続きや、国民年金の保険料免除・猶予申請に関する相談など
雇用保険に関することがわからない ハローワーク 求人支援、失業手当や教育訓練給付制度などの給付金に関する相談、人を雇った時の雇用保険への加入手続きなど
労災保険に関することがわからない 労働基準監督署 業務上の事故や病気など災害にあった場合の給付金に関する相談や、人を雇った時の労災保険への加入手続きなど
従業員が増えてきたので、健康保険・厚生年金に加入したい 管轄の年金事務所 事業主が、健康保険(協会けんぽ)や厚生年金保険に加入する手続きや、保険料納付の窓口となる
法律 著作権で揉めている、契約書を作りたい・チェックしてもらいたい 弁護士「法テラス」 法律関係全般の相談を行っている。自治体や弁護士会等が無料相談を実施。「法テラス」という公的な相談窓口もある

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